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書きたいと思っているネタはあっても、見切り発車は怖い。
7割くらい書けたらUPしようとすると長編は続かない。
その前に飽きる。
誰にも見せて無いし…放置で良いか!…となる確立は9割。

ワタス、一生長編なんて書けない…orz

とか思った今日この頃。
正式に見切り発車するの怖いので、続きにて試験運転(爆)




唐突に書いてみる。
時間が有れば書きたいなーと思っているもの。






城で一番高い場所に上ってぐるりと世界を見渡した。
カタートから切り出した真っ白な石でつくられた美しい城。
その回りに同じく並ぶ街。
屋根は翡翠を粉にして焼き上げた美しい緑の瓦。
キラキラと太陽を反射してまるで一つの宝石のよう。
そんな街を囲む広大な森。
太古の自然そのままに生い茂る木々。
人々はそこを『迷いの森』や『霧の迷宮』と呼び忌み嫌うけれど彼女はその景色が好きだった。
いや…この国に住むもの。そして同じ同属は皆…ここを聖地と崇め大切に守ってきた。
しかし、今その森を囲むように…無粋な黒い石の壁が築かれている。
天さえも切り取ってしまう高さになるのに…そう時間はかからないだろう。
朱色の瞳を憎むべき人の住む大地に向け少女は誓った。

「…取り戻して見せるわ…どんなことをしても」

絶対に許さない。








-princess of the dragon-












「納得できないわ!!」

分厚い一枚板の机を力いっぱい叩いてそう叫んだ。
目の前の父…この国の王は目を窓の外に向けると何を考えているのか、静かに歌いだした。
誰もが耳にしたことある竜神の歌。
この国の始まりを告げるそれ。
その意味を図りかねているとふと歌が途切れ真っ直ぐな瞳がリナを貫く。

「…父様?」

首を傾げる娘に向けられたのは、少し悲しそうな顔。

「解ってくれリナ…こうするしか道は無い…」
「…どうして…」
「我らは地を汚し過ぎた…手を汚しすぎたのだ…」
「なんでよ…」

何故父がそんなことを言うのかわからなかった。
地を汚したのは我らではないのに。

「おかしいわ、そんなの…」
「リナ」
「だって、戦争を仕掛けてきたのは人間でしょ!?後からあたしたちの土地にやってきて何もかも奪うなんて許せない!!」

勝てるわとリナは叫ぶ。
誇り高き竜神族が負けるはず無いと。
しかし、王は首を振る。

「確かに人は非力だ。我らには力がある…しかしな…」
「逃げるの?全て奪われても良いって言うの!?」
「逃げるのでも、負けるのでもない。これは平和協定だ…平和への道なのだ…」
「…聖地以外はすべて奪われ…森の終わりに壁を築かれて、それが平和なの?」
「いつかわかる日が来る…」

解らないとリナは首を振り続けた。
だって、悔しいじゃないか。
北のこの地を含め、東西南とそれぞれに竜神族の街があった。
その全てを人に奪われる。
こんな屈辱は無い。

「リナ、聞きなさい。人と我らは違う。」
「解ってる。汚い生き物よ…人なんて大嫌い」
「そういう意味じゃない…人は人の意思で生き増える。しかし我らは赤の竜神の信託に沿って道を決める。」
「赤の竜神が戦争をやめろと、人に屈しろと言ったって言うの!?」
「違う…赤の竜神は信託を授けなくなった。リナ…お前が生まれたのを境に…竜神族に子は生まれていない。信託が下らぬ限り我らは子を持てない。」

地が汚れ、我らの心が汚れた所為だと王は言った。
娘を抱きしめ解ってくれと呟いた。
竜神族は確かに強大な魔力を持ち、長い時を生きるが数が少ない。
人は非力だが常に進化し、数が多い。
だからこそ200年もの長きにわたり戦いを続けてきたのだ。
圧倒的な力の差があるのなら、とうの昔に決着はついている。
リナは堅く手を握り締め王の大きな肩に顔を埋める。
一族を守るために…人の言うなりになるしかないのだ…
悔しい。
こんなにも悔しい思いをしたのはどれくらいぶりだろう?







◇ ◇ ◇ ◇ ◇









白亜の城の廊下を謁見の間に向かって歩く。
水晶を混ぜた水で磨き上げられた床は一転の曇りも無く空の青を写している。
雲ひとつ無い晴天。
リナはそんな空を睨む。
天すら我らの敵であるような感覚が押し寄せてくるのだ。
いっそ嵐であったなら心も多少軽くなったと愚痴をこぼす。

「………」

目の前の巨大な扉。
見上げるほどの高さのそれに掘り込まれた彫刻は、父が歌ったあの物語りの一節だ。
竜神族の始まりの歌。
それ目に焼き付けるように見ていると、巨大な扉の下に作られた人用の小さな戸が開いた。
大臣と目が合う。
リナは小さく頷くと謁見の間に足を踏み入れた。

「姫様がお見えになりました。」

赤い絨毯の上を歩く。
『おぉ…』と声を漏らした一団を見ることもなく玉座に座る父の前に膝をついた。
そして淡々と決められた言葉を述べた。
それは輿入れする娘が、家族に別れを告げるための挨拶。
涙を見せるわけにはいかない。
弱さを曝すわけにはいかない。
常に強く、侮られることの無いように…

「娘よ…すこやかに…」
「はい」

リナは優雅に礼をとると謁見の間を後にした。
その後を追うようにあたふたと人間の一団が付いてくる。
明日の朝一番に…この国を出るのだ。
もう、竜神族の姫ではなく…エルメキアの王妃として生きなければならない。
靴音も高らかに廊下を歩き、控えの間に向かっていると人間が声をかけてきた。
手にした箱を掲げて。

「何?」
「…ですから、こちらにお召し変えを…」

女官が遠慮がちにそう言う。
冗談じゃないと言おうとしたがその前に大臣らしき男が口を開いた。

「もう貴女はエルメキア人なのです。衣装も全てこちらで用意したものに変えていただきます。」
「…そう、何一つあたしに自由は無いわけね…」
「そう思われてもかまいません。」

女官からドレスの入った箱を奪うとツカツカと歩き出す。
お手伝いをと言ってついてくるそれを追い払った。
着替えくらい一人でできると。
控えの間に入り、更にその奥の部屋で箱を開けた。

「………」

薔薇のように赤いドレスが入っていた。















続く。
的な感じで書きたいような…もう満足したような(マテ)
いつか時間が有れば書きます。多分。
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