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スレのドラマCD欲しさにドラゴンマガジン買った。

あのー…いつから…こんな高くなったんですか?

前はもっと安かった気がしなくもない…でも実際ドラマガ買うのってスレの全サあるときくらいだったから覚えて無いけど。
ひょうたん祭りな新装版も買った。
こんなシーンが浮かんだ。

以下続きにて妄想です

【ひだりてくび】


「あーあ…」

最近癖になりつつある彼女の溜め息。
すぐ傍を歩く相棒に目を向けると、自分の手をじっと見つめている。

「…はぁ…」

そしてまた溜め息。
小さな手を握ったり開いたりしながら地面に目を落とした。
夕日に照らされた陰が長く延びる。

「リナ?」
「んー?」
「…どうかしたのか?」
「うん…まぁ、ちょっとね。」

そしてまた小さく息を付く。
悲しいあの決戦の後から様子が変だった。
奴のことを引きずるのは当然だし、彼女の事だって…
悲しい別れというのはそう簡単に癒えるものではない。
だから、どこに行きたい?と聞かれた時…彼女の実家と答えた。
気を紛らわせるのも目的だし、家族と合えばそれだけ心も落ち着くだろう。
おれ自身も会って見たかったし、彼女の生まれ育った場所に行ってみたい気持ちもあった。
まぁ…未だに進展らしい進展は無いのだが。
町に入り宿を取るため通りを歩く。
どの宿にする?と振り返ると見慣れた姿が無く一瞬焦る。
あたりをキョロキョロと見渡すと人ごみの向こうに栗色の後姿。

「リナ?」

露天の宝石屋を覗き込むそれ。
欲しいのか?と聞くと首を振った。

「これ、ただの宝石じゃないの。魔法石よ…でもたいした物は無いわね。」

行きましょ。と振り返る彼女。
露天の爺さんは面白そうに『正直な意見をどうも』と笑った。

「あ、べ、べつに…”たいしたものは無い”ってそういう意味じゃ…」
「解ってるよ。あんたみたいな魔道士さんが求めるような魔法石は特別だからね。」

慌てるリナに爺さんは目を細めた。

「ところで、リナは何を見てたんだ?」
「え?」
「あ、いや…最近溜め息多いし、ここの所自分の手ばっかり見てるじゃないか。」
「あ…うん…」

また地面に落ちる彼女の視線。
首を傾げる俺に爺さんが笑った。

「兄さん察しが悪いのぉ。」
「へ?」
「おなごが飾り気の無い手を見て溜め息ついたり、まじないの魔法石みてたとくれば…」
「おぉ!!」

俺は思わずぽんと手を打った。
俺達の会話にリナが慌てだす。

「へ?ちょっと、何か勘違いしてないっ!?」
「照れなくてもいいじゃろて?」
「照れてない!」
「ちがうのか?」
「ち・が・う・!!」

じゃぁ何?と聞くと小さく息を付き答えた。
デモンブラッド…と。

「別に…後悔してる訳じゃないのよ…あの時ああしなきゃ…」
「リナ…」
「…それが、アイツの望みでもあったんだもん…でもさ」

落ち着かないのよね。と曖昧に笑って見せた。
亡くして惜しいと思っているのとは違う。
後悔とも違う。
ただ…寂しい…いろんな事が。
手を伸ばして髪に触れた。
そのままわしわしと撫でる。

「ちょ、何すんのよ!?」
「うん。ちょっと。」
「髪痛むわ。」
「あぁ。」
「………。」

嫌とも言わず、俺の手を払いのけることも無く彼女は静かに目を閉じた。
そして、ふぅ…と息を付く。
溜め息とは別の。

「さて、宿でも探しましょう。」
「そうだな。お、その前に…」
「ん?」

座り込んで露天の爺さんと話す。
何やってるの?と不思議そうなリナ。

「手、出してみて。」
「て?」

差し出された手にそれを結ぶ。
緑色の石がついたブレスレット。
リナが目をぱちくりさせながら俺を見つめた。

「爺さん特製のまじないがかけてあるからよく効くらしいぞ。」
「…あんた…この石の意味しっててつけた?」
「ん?さぁ…爺さんのお勧めどれだ?って聞いたらこれだって…」

ただただニコニコ笑っている爺さんと、困った表情で頬を染めるリナ。
何か変なまじないなのか?と聞いたが教えてくれなかった。
『あんたは知らなくていいの!』と。

「ふーん…でもまぁ良いか。リナがやっと笑ったし。」
「へ?」

爺さんに金を渡し、立ち上がってズボンの皺をパンパンと叩く。
じゃぁ、行こうか?と背を向ける。
だが、リナが待ってと呼び止めた。

「どうした?」
「コレ…」
「ん?」
「コレ…二つしなくちゃ意味が無いの…」
「そうなのか?じゃぁもう一つ買ってやるぞ?」

そういうとぶんぶん首を降ったリナが、同じ石のついたブレスレットを俺に差し出した。
手出して。と言う。

「リナ?」
「もう一つは…あんたがしなくちゃ意味が無いの。」
「俺?」
「あたしの石を結んだのはガウリイだから…ガウリイの石はあたしが結ばなきゃ…」

お、おまじないの意味は聞かないでよ!と真っ赤になりながら言う彼女が可愛くて…
緩む顔を引き締めるのに苦労した。



Fin
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